今や世界標準! スマート工場化で生産性向上や人手不足解消を目指しましょう


皆さま、こんにちは。

さいたま市を拠点に関東エリアで工場などの電気工事を請け負っているトナミエンテックです。


近年では、人手不足への対応や労働時間削減・生産性向上などの観点から、工場にもより効率のいい生産活動が求められるようになっています。それに伴って大いに注目されているのが「スマート工場(スマートファクトリー)」です。


スマート工場は、従来の工場が抱えていた多くの問題を解消し、ものづくりのあり方を大きく変える可能性を秘めています。ここではスマート工場化のメリットや、スマート工場化する際のポイントをご紹介します。




■製造業で注目のスマート工場とは?



スマート工場とは、あらゆる設備やシステムがコンピューターネットワーク(インターネット)によって接続され、生産性や品質管理の向上が図られた工場のことです。ドイツで2011年に提唱された「インダストリー4.0」という概念を基にしており、現在ではさまざまな国に広まりました。


スマート工場を実現するためには、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ロボットやビッグデータの解析技術を導入する必要があります。ネットワークに接続されたセンサーで設備や生産現場のデータを収集し、それをAIで分析し、改善点を見つけ出し、さらにロボットやAIで作業を自動化し……といった、設備同士もしくは設備と人との連携による運用が基本です。


工場がスマート工場化されると、作業の効率化や省人化、コスト削減、安全性向上など多くのメリットが得られます。その結果、より高収益・高効率・高品質な工場経営が可能になるのです。




■今や世界標準! スマート工場が求められる背景と現状



スマート工場は今や世界標準になっており、多くの国で先進的な工場が作られています。これはスマート工場のメリットを考えれば当然の変化であり、工場という存在自体の大きな変革といえるでしょう。そして、スマート工場の恩恵が大きく、最も切り替えが求められている国の1つが、他でもない日本です。


日本でスマート工場が求められている要因としては、少子高齢化の進行や、それに伴う人材不足が挙げられます。労働人口の減少により、工場の従業員を確保するのも簡単ではなくなりました。従来型の工場では、いずれ通常の操業も難しくなります。これは日本の生産活動・経済活動に大きな悪影響を与えるでしょう。


また、日本の少子高齢化は、ものづくりにおける「技能継承」の問題も引き起こしています。工場におけるものづくりに、熟練した技術は欠かせません。日本の優れたものづくりは、これまで多くの熟練工によって維持されてきました。しかし、熟練工の大部分が引退する年齢になり、しかも若い世代の技術者が少ないため、高度な技術を次世代に伝えるのが難しくなっているのです。


実際に、経済産業省が公表している「製造基盤白書(ものづくり白書)」の2020版においては、「ものづくり企業」の40%程度が「人手不足」「人材育成・能力開発」を経営課題として挙げています。大企業でも中小企業でもほとんど数値に差が見られないため、企業の規模を問わない業界全体の問題であることがわかります。


この課題を解決するために多くの企業が推進しているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)、つまりデジタル技術の導入です。ものづくり白書の2020年版だと、ものづくりの工程・活動におけるデジタル技術の活用をしている企業の割合は49.0%でした。しかし、最新の2022年版では67.2%となり、大幅に増加しているのです。


これは国がDXを推進し、スマート工場の有用性が広まってきたのに加え、新型コロナウイルスのパンデミックも影響していると考えられます。感染対策のために、働き方や工場経営のあり方の大幅な変更を求められた結果、工場のDXに踏み切る企業が増えたのです。


今後も製造業を中心に、スマート工場は増加していくと考えられます。今の時代の工場経営において、スマート工場化は必須事項といってもいいでしょう。




■スマート工場化のメリット



工場のスマート工場化には、実にさまざまなメリットがあります。主なメリットを挙げてみましょう。



・工場内を「見える化」できる

スマート工場では、ネットワークに接続されたセンサーやカメラにより、さまざまな情報を「見える化」できます。たとえば、機器の稼働状況や温度・湿度、製品の品質、製造個数、人の声や動きといった情報を、すべてリアルタイムで把握することが可能です。これにより設備が正常に稼働しているか、従業員の作業手順は正しいかといったことを常に把握でき、異常を検知した時も速やかに対応できます。


また、生産ラインの常時監視や膨大な量のデータの蓄積により、工場の問題点を明確にできるのも大きなメリットです。どこで・どんな問題が・なぜ発生しているのかをピンポイントで特定できるため、それを基に改善策を講じることで、さらなる生産性向上が期待できるでしょう。


さらに、過去の製造実績や売上実績、市場調査の結果といったデータとリンクさせれば、製品の生産量や仕様などを自動的に調整・変更することも可能です。製品の需要や顧客ニーズの変化にも即座に対応し、柔軟で無駄の少ない生産活動ができるようになります。



・人手不足を解消できる

設備のIoT化やロボットの導入を進めると業務が省力化され、限られた人員でも現場を回せるようになります。たとえば、センサーを導入して製造ラインの監視業務を自動化すれば、それまで監視業務を担当していた従業員を他の業務に当てられるでしょう。これは人手不足対策として非常に効果的です。


また、作業が効率化されるので、従業員1人当たりの生産性の向上や、労働時間の削減も期待できます。労働環境が改善されれば従業員のモチベーションもアップし、さらなる生産性向上や定着率のアップが見込めるでしょう。少子高齢化は今後も進むと想定されるため、長期的に見ても大きなメリットがあります。



・設備の予知保全や、スムーズなトラブル対応ができる

「見える化」によって、設備の異常や故障に関するデータを収集・分析すると、それに基づいた「予知保全」が可能になります。つまり、稼働時間や生産個数などのデータから、問題の起きそうな箇所や寿命が近そうな箇所を予測し、先手を打って補修・交換できるようになるのです。


予知保全をすれば、設備が突然故障するのを防げるので、安定した工場運営が可能になります。また、定期的なメンテナンスである「予防保全」に比べて無駄がなく、生産性のアップにもつながります。


さらに、万が一トラブルが発生したとしても、トラブルの発生箇所や原因をすぐに把握できるため、スピーディーな対応が可能です。発生箇所や原因を探るために生産ライン全体を止める必要もなく、トラブルの影響を最小限に抑えることができます。



・次世代に技術を継承しやすくなる

デジタル技術を導入すれば、熟練工の技術をデータ化して伝えられるようになります。つまり、高度な技術の継承がしやすくなり、人材育成の負担を大幅に削減できるのです。タブレットやスマートグラスなどに、熟練工の作業手順を表示することができます。


製造業など技術者が必要となる分野においては技術継承が大きな課題となっていますが、スマートファクトリーによって熟練技術者の技術をデータ化して次世代へ伝えれば、技術継承がしやすくなり、後継者育成の負担が減ります。




■スマート工場化する際のポイント



人手不足への対応や生産性向上のため、スマート工場化を急いでいる企業様も多いかと思います。しかし、十分な検討をせず形だけのスマート工場を作っても、期待するような効果は得られません。そこで、スマート工場化する時には、以下のポイントを押さえておきましょう。



・費用対効果が高い箇所から始める

工場のIoT化やAI・ロボットなどの導入には、まとまった費用がかかります。そのため、費用対効果が高い箇所から始めるのが基本です。過去のデータなどから明らかに問題の大きい箇所が判明しているなら、そこを優先するといいでしょう。


また、生産・稼働オペレーションのスマート化は、必要なデータが稼働時間や生産数などに限られ、設備の導入コストも比較的安価です。加えて、収集したデータを基に改善点を探すこともできるため、初期段階のスマート化に向いています。



・経営者と担当者の意見・認識をすり合わせる

スマート工場化する時は、経営者と現場担当者の意見・認識をすり合わせておくことが大切です。両者の認識が違っていれば、意見がまとまらずスマート工場化が進まなかったり、効果の薄い設備を導入してしまったり、収集したデータを活用できなかったりするかもしれません。まずは経営者と現場担当者、さらに外部の関係者などの間で意思疎通を行い、現状の課題や改善方法などの意識を共有しておきましょう。



・作業員の指導を丁寧に行う

スマート工場化が実現すると、新たな設備の導入や作業内容の変化により、働き方が大きく変わります。当然、わからないことも多数出てくると考えられるため、現場作業員の指導を丁寧に行うことが大切です。


特に製造業界は作業員の高齢化が進んでおり、ITに関する知識が十分でない人も大勢います。マニュアルの整備や研修などによって、しっかりとフォローしてあげましょう。



・セキュリティ対策を行う

工場にIT技術を導入した際、必ず実施すべきなのがセキュリティ対策です。システムが脆弱な状態だと、データベースへの侵入や情報漏洩などの被害が発生しかねません。内部でセキュリティ担当者を育成するのか、それとも専門業者に委託するのかを検討してください。



・データ活用の知識を習得する

たとえ最先端の設備を導入しても、それから得られたデータを活用できなければ、スマート工場化した意味がありません。「現状の課題は何か?」「何のデータを収集し、それを使って何をするのか?」といったことを確認した上で、データの活用に必要な知識を習得することが大切です。これもやはり、社内で担当者を育成するのか、プロフェッショナルに外部委託するのかを検討しておきましょう。




■まとめ



工場をスマート工場化すれば、これまで見えていなかったさまざまなデータが可視化されます。それを分析して工場の問題点を把握・改善し、さらにAIやロボットによる作業の自動化・効率化を図れば、生産性の向上や人手不足の解消に大いに役立つでしょう。


近年では国が積極的に後押ししており、工事の内容によっては補助金を受け取れる場合もあります。

しかし日本は諸外国に比べるとスマート工場化が遅れ気味で、実際にはAIを活用できているIoT化された工場自体の実績数がまだかなり少ないのが現状です。いきなりスマート工場化するのではなく、工場の見える化して無駄を省くだけでも大幅なコストダウンにつながるため、自社の工場でまずは「見える化」を検討してみてはいかがでしょうか。


トナミエンテックでは、プラント電気工事を中心に電気工事を行っています。創業以来、2000件にも上る施工実績を積み上げ、大手企業の工場改修なども手掛けてきました。スマート工場化の実績も豊富で、設計・管理・施工までトータルサポートし、低コストで迅速な対応が可能です。工場設備のスマート工場化を検討中なら、ぜひトナミエンテックにご相談ください。