受変電設備の点検のタイミングとは?法定点検が義務付けられています!


皆さま、こんにちは。

さいたま市を拠点に関東エリアで工場などの電気工事を請け負っているトナミエンテックです。


工場やレジャー施設、大型マンションといった日々大量の電力を消費する建物は、一般家庭とは異なり「高圧電力」を受電しています。

その高圧電力を、各家庭で使用できる電圧に変換するための「受変電設備」について、法定点検が必要なことをご存知でしょうか。

受変電設備を安全に使用するためには、定期的な点検が欠かせません。

今回は、受変電設備を点検するタイミングと怠った場合の危険性、点検時にチェックする項目について紹介します。




■受変電設備に必要な点検のタイミングは決まっている?



受変電設備の点検は、定期的に実施すべき重要な作業です。

利用者が多い施設などに導入されて、大勢の方々の生活に影響するものだからこそ、メンテナンスは絶対に欠かせません。

そのメンテナンスの頻度ですが、一般的には月次点検もしくは隔月(3ヶ月)点検と、一年おきの年次点検という2つのタイミングで実施しなければならないと、法令によって定められています。

ちなみに安全性を追求した場合、推奨されているのは一カ月おきの月次点検と、一年おきの年次点検の2つをしっかり実施することです。

またもちろん、メンテナンスの目的はあくまで安全な設備の維持であり、点検すること自体がゴールではありません。

設備の種類や規模、使用状況などによっても点検項目や頻度は左右されますし、必要に応じて月次・年次に含まれない臨時点検を実施するケースもあるでしょう。


月次点検では視認できる部分の確認や簡易的な測定を、年次点検では詳細な測定や部品の交換などを実施します。

設備を良好な状態で維持しつつ、利用者の安全を確保するために、定期的なメンテナンス実施は欠かせません。

受変電設備を適切に運用するためにも、必要な点検のタイミングを逃さないようにすべきです。




■点検の重要性とは?点検を怠るとどうなる?


受変電設備を定期的に点検することの重要性を、怠った場合のリスクにフォーカスして紹介します。

具体的には、点検を怠ることで停電・事故・電気代のロスといった事態を誘発させる可能性があるので注意しましょう。



・停電・停電による経済的損失

電気設備のメンテナンスを怠った場合、真っ先に考えられるリスクとしては停電の可能性が挙げられます。

とくに受変電設備は、大規模な施設全体の電力供給を支える重要な設備です。

取り扱うのも、一般家庭に多い低圧電力ではなく高圧電力であるため、一つの設備が多くの場所の電気に影響を及ぼします。

故障や異常が生じることで、レジャー施設や大型マンションなどの建物全体が停電すると、利用者にとても不便な思いをさせてしまうかもしれません。


また工場の場合だと、停電が長引けば生産ラインが停止し、経済的損失が発生することも想定できるでしょう。

さらに、電力供給が途絶えるとデータを失ったり、装置が壊れたりといった二次的なダメージも考えられるため、様々な事業に損害をもたらす可能性があるのです。



・火災や感電などの事故

受変電設備の故障は、火災などの事故を引き起こすこともあるので注意しましょう。

とくに古い設備のままだったり、メンテナンスを怠っている設備だったりした場合は、電気の異常発熱により火災を引き起こすリスクが非常に高いです。


また、漏えい電流に気付かず感電事故が発生するなど、設備の不全による直接的な事故が起こる可能性もあります。

人の暮らしを豊かにするはずの電気設備によって、幸せな生活が脅かされるというのは本末転倒です。

建物を利用する人々の命に大きく関わるので、やはり定期的な点検実施による事故の予防は欠かせません。



・電気代のロス

受変電設備の劣化や異常は、電力効率を低下させて電気代が上昇する原因にもなります。

多く電力を消費している建物ほど、コスト面で損をすることになりかねません。


受変電設備の定期メンテナンスを実施すれば、そういったコスト面における異常事態の発生まで防止できます。

効率的な電力供給を維持するためにも、設備の異常を早期に察知して、余裕をもって修理や交換をおこなうことが重要です。




■点検の内容とは



受変電設備における点検作業について重要性とリスクを紹介しましたが、点検では具体的にどういった点をチェックするのでしょうか。

ここでは月次点検と年次点検のチェック項目について、それぞれ詳しく解説します。



・月次点検におけるチェック項目

月次点検では、主に視覚的に確認できる部分のチェックや簡易的な測定が行われます。

具体的な内容としては、設備の外観や音・振動の確認、計器の表示値チェックなどです。

区分開閉器等の外観目視点検や、非常用発電機の手動による起動・停止確認などもおこなうため、設備の損傷や老朽化によるトラブルを防げます。

また簡易的な測定としては、漏えい電流や受電盤・配電盤の電圧、ブレーカー温度や負荷電流の測定などです。

これらの項目を短いスパンでチェックすることで、明らかな異常や潜在的な問題を早期に検出できます。



・年次点検におけるチェック項目

一方、年次点検でチェックするのはさらに詳細な項目です。

故障や未然な事故の防止、及び設備の性能を維持することを目的としています。

年次点検で主に確認するのは、内部の部品の状態や絶縁耐力、接続部の締結具などの状態です。

具体的な項目としては、絶縁抵抗測定や保護継電器動作特性試験、保護継電器連動動作試験など。

また、非常用発電機の自動での起動・停止確認や、蓄電設備の電圧・比重・温度測定といった、平常時以外の動作についても入念にチェックします。

月次点検でもあった区分開閉器等の外観目視点検なども含め、停電状態での電気設備における精密な項目をチェックするのが、年次点検の主な内容です。




■まとめ



受変電設備の定期的なメンテナンスは、設備の正常な運用と寿命延伸、事故防止のために必要不可欠です。

月次点検と年次点検を適切に実施し、初期の異常を察知したうえで早期に対応することが大切だといえます。

もちろん、状況に応じて臨時点検をおこなえば、受変電設備のさらなる安全な運用が可能です。


また、設備の耐用年数を常に把握し、その期限が過ぎているようであれば、新しい設備への交換も検討しましょう。

早めの対応を心がければ、設備の効率的な運用を続けることが可能となり、経済的な損失や人命に関わる事故を防げます。

受変電設備のメンテナンスは多くの人や施設の安全を守ると同時に、大きな経済の流れを途絶えさせないために非常に重要な、社会的意義の大きな仕事なのです。




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